クリス・グレンの教えて!グッドジェネレーション(アーカイブ)

地球の農業に革新を
そして憧れの宇宙へ!
株式会社TOWING
(愛知県刈谷市/名古屋市)
(4/4)

June 05. 2023(Mon.)

未来へ繋がる新しい取り組みをおこなっている企業や団体をラジオDJのクリス・グレンさんが訪ねるコーナー。今回クリスさんが訪ねたのは、宇宙と地球での持続可能な農業を目指すスタートアップ企業「株式会社TOWING(トーイング)」の研究農園(愛知県刈谷市)。最終回となる今回は、農業にもたらしたいイノベーションについて、そして目標である「宇宙」への想いを伺いました。

ー前回までの記事はこちら
1/4
宇宙でおいしい野菜を育てたい!株式会社TOWING(愛知県刈谷市/名古屋市)(1/4)
2/4
土壌問題を解決する「宙炭(そらたん)」とは?株式会社TOWING(愛知県刈谷市/名古屋市)(2/4)
3/4
刈谷の農園で「宙(そら)ベジ」育成中!株式会社TOWING(愛知県刈谷市/名古屋市)(3/4)

「宙農兄弟」の挑戦は続く。

TOWINGのシステムを
農業のスタンダードに

西田宏平CEOは、「宙炭(そらたん)」は「これからの農業のスタンダードになると思っています」と語ります。
日本、世界、そして宇宙も視野に入れているTOWING。その際に課題となるのが「宙炭」を生成する工場です。
「すべての地域に工場を造っていくと、いくら資金があっても足りません。なので、たくさんもみ殻を出しているJAさんや、鶏糞を出している養鶏場などに、残渣(ざんさ)を資源として活用しませんかと提案し、「宙炭」の生成工場を持っていただく。私たちは、炭の品質管理や工場のメンテナンス、地域で「宙炭」をどう使っていただくかといったプランニングをおこなう。そのようなビジネスモデルを考えています」(西田宏平さん)
海外展開への足がかりを現在調査しており、2025年には販売を開始予定とのこと。
「アメリカにもヨーロッパにも痩せた土地がたくさんあります。きっとニーズは高いはずですよ」(クリスさん)

「少しずつですが、世界進出できる
体制が整ってきました」と西田宏平CEO。

すでに、“月の砂”を
模した素材で実験成功

TOWINGの事業への注目度は高く、大企業も参加する宇宙利用のプロジェクトに同社も名を連ねています。
その中で、2022年に話題となったのが、月の模擬砂を使った農作物栽培の実証実験に成功したニュースです。
「月の砂は非常に粒子が細かくて微生物が住むことができません。そこで大手建設企業の株式会社大林組と宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発した技術を活用して、細かい砂を固めて加工し、私たちが設計した多孔体にして“土壌化”したのです。そしてその土壌を使った小松菜の栽培に成功しました」(西田宏平さん)
他の企業とのつながりが広がり、それぞれの得意分野を活かすことで夢が現実に近づいていく。そんな実感を得ているそう。

月の模擬砂から生成した多孔体を使い、
小松菜の栽培に成功。

一歩一歩、
憧れの宇宙へ

最後に、これからの目標について、西田兄弟に聞いてみました。
「『宙炭』が地球上のどこの農家にも取り入れられて、農業由来の環境負荷が低減される。そんな未来になると嬉しいですね。そして、今取り組んでいる成果をしっかりと宇宙まで持っていくところまでは確実に成し遂げたいです」(西田亮也さん)
「最近、中国の研究機関が月に水があることを発見するなど、宇宙に関するさまざまなデータが溜まってきています。きっと将来、月や火星に人が滞在する未来がやってくるはずです。私たちは、まずは地球でできることをやり、次に宇宙ステーションで、そして月面でと、時間はかかるかもしれませんが、一つひとつ成果を出していくことが大切だと思っています」(西田宏平さん)

「本当に、ものすごくポテンシャルを秘めた会社です。宏平さんも亮也さんも人間的にとても面白い。世界を変えて、宇宙に貢献するシステムになるはず。これからずっと注目していきたいですね」(クリスさん)

「宙農兄弟」をはじめとする
TOWINGの皆さんの活躍に期待!
株式会社TOWING
2020年2月設立。「持続可能な超循環型農業を地球・宇宙双方で実現する」をミッションに高機能バイオ炭「宙炭(そらたん)」の製造・販売や「宙炭」を使った環境に優しく生産性の高い農業システムの普及、また宇宙での食糧生産の実現を目指している。

愛知県名古屋市南区前浜通7-1-2(オフィス)
050-5849-1414
https://towing.co.jp/
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